ダメマシンクリニック27【有料老人ホームのピンク電話:表示失調及び継承不全】
2016-05-06


「継承不全」は、こちらも後述するような根本治療が必要です。

処方01:応急処置
応急処置(追加表示)は以下の様にするのがよいでしょう。
・注意書きを正面に大きく表示します。

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場所柄も考慮しまして、特に大きく、目立つように(この場合は本体の上につき出す形で)正面に表示します。文面は製品の注意書きをそのままか、利用者の方々によっては「公衆電話」を加筆しても良いかもしれません。


[継承不全]

さて、「継承不全」についてです。
何を継承しなかったのか、それはずばり「ピンク電話のイメージ」です。
こちらの電話は残念ながら「ピンク電話」に見えません。むしろ、家庭用電話機としてはありえる外観ですから、公衆電話にも見えていないかもしれませんね。

ピンク電話には社会的な共通イメージがあったものと推察されます。「ピンク電話ってこういうもの」というイメージですね、これを継承することが出来ていないのです。

では、「社会的な共通イメージ」の推移を確認するために、総務省のデータを見て見ましょう。
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こちらは日本国内の1990年(平成2年)から2013年(平成25年)の電話契約数と公衆電話台数の推移です。

「ピンク色の公衆電話」は60年代からあり、85年の電話自由化まで活用されていました。自由化の後も携帯電話が普及するまで「ピンク」は存在し続けています。この25年から30年の間には共通イメージがしっかりと形成されたと思います。
しかし、2001年頃から移動電話の世の中になり公衆電話が消えはじめます。公衆電話そのものが珍しくなりはじめた2005年、ピンク電話から「ピンク」が無くなりました。

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