詩・デザイン
2024-04-17


デザインがお好きな皆さまこんにちは^^

前回は「デザインとは何か」という問いについて、そのきっかけや現在の答についてお話しました。もう一度先人たちの言葉をなぞろう、と申しました通り、いくつか記憶に残っているものをあげて行こうと思います。

「デザインとは詩である」マリオ・ベリーニ(伝)wiki

(伝)と付けましたのは、原典が分からないためです。修業時代の最初の上司が教えてくれました。ところが私は全くといっていいほど詩を解せなかったため、(かっこいい言い回しだな、、)以上の感想は持てませんでした。ただ確かに、ベリーニ氏によってデザインされた家具や装置を並べた空間にいる中で、「デザインは詩だ」といわれたら、なんとなく(そうかも)と思える気もしました。造形の魅力のなせる技でしょう。

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のちに実際にさわる機会があり、ちょっと印象が変わりました。この椅子はこうあるべき、この装置はこう使うべき、という明快で美しいビジョンがあるのです。これは本当に凄い事です。天才の仕事だな、と感服します。デザイナーが「作品」で表す世界、それが「詩」なのだ、と腑に落ちたのです。

しかし、この「美しい所作への意識」が、私には重く感じられました。否定的に言うと、親切ではないんです。(当時の90年代の時代感もあってそう感じたかもしれません。)
私という人間は「美しいけれど親切ではないものは嫌だ」と思うのだ、と気付く貴重な体験でした。そうして私は、「美しいことが親切であることを犠牲にしない」という指針を得たのでありました。

ちなみに、前後して「CI」等の「ブランドの世界観」を表すことがデザインの仕事としても目立ってきます。デザイナーが世界観を作ろうと思う時、「デザインは詩である」という視点はとても使いやすいメタファーだったでしょう。流石です。
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