素材の意味
2011-02-08


ギブソンが考案した、UIデザインでお馴染の「アフォーダンス」という概念は、例えば椅子は座ることをアフォードしている、というように「形が行為を促す」という理解で広く知られるようになりました。

アフォーダンスは形状を中心に語られますが、テクスチャ(肌理)とレイアウトの認識の中に位置づけられていますので、それらによって意味が変るものでもあります。
極端な例ですが、真っ赤に燃えた椅子は座ることをアフォードしません。

あるもののアフォーダンスを考える時、テクスチャは主に素材に由来するため固定的(要素還元主義的)な意味あいをまとっています。
金属は冷たい、重い、硬い、などの素材の特性は、そのまま金属質のテクスチャに感じる事です。

しかし最近、新素材や技術革新により、テクスチャーが新しいアフォーダンス、新しい意味を獲得しているのでは、、と思うようになりました。

20年ほど前はモニターに動く映像を2〓3歳児に見せた時、じっと見入ることはあっても手を出すことはありませんでした。言葉でのコミュニケーションが未発達だと、GUIは上手く行かない、というような説明をする人もいました。
しかし、今では手を出して「操作」を試みる子供たちは少なくありません。YouTubeでも幼児が使いこなす動画が沢山ありますね。
この変化の要因はさておき、アフォーダンスの観点で言えば、モニターが操作をアフォードする様になったと言えます。
モニターの形状も表示される映像もそれほど変らないのに、映像という「テクスチャ」の意味が変ったと言えるかも知れません。

また、アルミは金属でありながら「軽い」素材でしたが、最近はシーンによっては「重い」素材になってきました。自動車のボディなどがカーボン等の新素材に取って替られたからですね。

ガラス、木材、繊維等々、伝統的な素材にも、旧来のイメージや使用法にこだわらない可能性がひらかれて行くでしょう。
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