整理整頓と使いやすさ 何を引き受けるか
2013-07-11


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セブンカフェのディスペンサーが大変使いにくいとの話題、あちこちで見かけておりましたが、こちらのお店ではこんな感じになっておりました。

実際に誰がデザインして、どのようなプロセスでこうなったのかは判りませんが、やはり、デザインの「伝わるシンプルさ」と「使いやすいシンプルさ」には性質としての大きな差がある、ということを再確認する思いがします。

セブンカフェのデザインディレクター(とされている方)は、整理整頓が大好きと公言されておりますが、ブランドメッセージの核心を大胆に絞ることで「伝わるシンプルさ」を多数実現しています。

しかし「使いやすいシンプルさ」は、ユーザーに「情報の何を提示するのか」より、「操作をどこまで引き受けてもらうか」の方がキーになります。従って、ユーザーによっては一見シンプルではない状況の方が好ましい場合もありえるのです。
写真のようなPOPの追加は、ユーザーが引き受けられなかったもの(ここでは種別の判断)が表出していると見る事が出来ます。

また、ファミリーレストランのドリンクバーとセブンカフェとでは、ユーザー群は近いかもしれませんが、状況には違いがあります。ファミレスでは馴れた手つきでドリンクを作り分ける事ができる人もセブンカフェでは戸惑ってしまう、、。
「状況」もユーザーが無意識に引き受けざるを得ない要素なのですね。

回りくどい言い方になってしまいましたが、この「ユーザーが何を引き受けるか」は、とても大切な視点なのです。

その視点でこの状況を見ますと、「情報の提示の仕方」以前に「コーヒーの種別の判断をユーザーにさせる」ことの困難さが浮かび上がります。
そして、それが見えたらデザインは簡単ですよね。購入カップの底面か側面にQRコード(その他識別符号)をつけ、操作ボタンを一つにする、なんていかがでしょう。
(・・後出しじゃんけんですね)

・・ちなみに、徹底したコストカットを実現しているビジネスホテルは、いかに「ユーザーに引き受けてもらうか」を徹底して研究していると思います。いわばセルフサービスの最先端なのですが、これはまた別の機会に描かせて頂ければと。

過去記事:複雑さを引き受ける
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